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『親友×……=??』
2008年、夏のメール。
俺と過ちを犯したときの、孝介からのメール。
『よく考えたけど、あの日はごめん。
やっぱ付き合ってない人と行為をするってのは、
俺の哲学に反するし、相手のこと考えてないことになるからだめだ。
大地は本当に大事な友達だから、大切にしたいと思ってんだ。』
2008年、冬のメール。
サブローのところに泊まりに行くのはやめてほしい。
という俺の気持ちに対する、答えのような、孝介からのメール。
『大地の友達と遊ぼうかと思ったが、考えた末、やめました。
もしもの話だが
その大地の友達と俺が
二人で遊ぶとかなってしまったら
また負担をかけてしまう気がしたので。
だから、しばらくもう、大地の友達とは二人で遊ばない。
これは当て付けとかじゃなく
ちゃんと考えた末の俺の勝手な行動だから
気にしないでくれ。
けどサブローちゃんは
俺が今から急にそんな態度取ったら
振り回してるみたいで失礼だから
俺はこれからも会うよ。
そこは、大地もわかってくれると嬉しい。』
どんなにささくれても、切れなかった糸が、切れた。
孝介のことを好きだという気持ち。
いままで、自ら切ろうとしたりしたけど、結局切れないままだった。
けど、切れた。ブチッと音を立てて、切れた。
やっぱり、孝介とサブローちゃん、ヤってました。
もっかい言っていいですか。
やっぱり、孝介とサブローちゃん、ヤってました。
しかも、俺の誕生日に。はは。ははは。
サブローと孝介の溝の深さを考えたら、
そういうことがあったってのが原因なんじゃないかと、
冷静に考えれば、選択肢に出てきたかもしれないのに。
そのときの自分には、出てこなかった。
だって俺は、盲目的に、孝介のことを信じていたから。
報われない恋愛であることはわかっていたけど、やっぱ、結末はこんなもんか。
2008年7月20日に始まった恋は
2009年5月6日に終わらせました。
俺は、やっと自由になれるんだ。
俺と過ちを犯したときの、孝介からのメール。
『よく考えたけど、あの日はごめん。
やっぱ付き合ってない人と行為をするってのは、
俺の哲学に反するし、相手のこと考えてないことになるからだめだ。
大地は本当に大事な友達だから、大切にしたいと思ってんだ。』
2008年、冬のメール。
サブローのところに泊まりに行くのはやめてほしい。
という俺の気持ちに対する、答えのような、孝介からのメール。
『大地の友達と遊ぼうかと思ったが、考えた末、やめました。
もしもの話だが
その大地の友達と俺が
二人で遊ぶとかなってしまったら
また負担をかけてしまう気がしたので。
だから、しばらくもう、大地の友達とは二人で遊ばない。
これは当て付けとかじゃなく
ちゃんと考えた末の俺の勝手な行動だから
気にしないでくれ。
けどサブローちゃんは
俺が今から急にそんな態度取ったら
振り回してるみたいで失礼だから
俺はこれからも会うよ。
そこは、大地もわかってくれると嬉しい。』
どんなにささくれても、切れなかった糸が、切れた。
孝介のことを好きだという気持ち。
いままで、自ら切ろうとしたりしたけど、結局切れないままだった。
けど、切れた。ブチッと音を立てて、切れた。
やっぱり、孝介とサブローちゃん、ヤってました。
もっかい言っていいですか。
やっぱり、孝介とサブローちゃん、ヤってました。
しかも、俺の誕生日に。はは。ははは。
サブローと孝介の溝の深さを考えたら、
そういうことがあったってのが原因なんじゃないかと、
冷静に考えれば、選択肢に出てきたかもしれないのに。
そのときの自分には、出てこなかった。
だって俺は、盲目的に、孝介のことを信じていたから。
報われない恋愛であることはわかっていたけど、やっぱ、結末はこんなもんか。
2008年7月20日に始まった恋は
2009年5月6日に終わらせました。
俺は、やっと自由になれるんだ。
星空に君を見つけた。
先週末、石垣島に旅行に行った。
壮大な海と、壮大な山と、壮大な空と、あたたかい人たち。
たまには孝介のことを忘れて、大自然に抱かれよう。
そう思っていたのに、何をしてもあいつが浮かんできた。
もうそろそろ、東京にも夏がくる。
孝介のことを好きになった、夏がくる。
去年の海に行ったときの写真が、まだ携帯に入っている。
あと数時間で、自分の気持ちに気がつくとも知らず。
隣に並んでニコニコ笑ってる自分。
いま、俺は、幸せなんだろうか。
少し疑問に感じた。
壮大な海と、壮大な山と、壮大な空と、あたたかい人たち。
たまには孝介のことを忘れて、大自然に抱かれよう。
そう思っていたのに、何をしてもあいつが浮かんできた。
もうそろそろ、東京にも夏がくる。
孝介のことを好きになった、夏がくる。
去年の海に行ったときの写真が、まだ携帯に入っている。
あと数時間で、自分の気持ちに気がつくとも知らず。
隣に並んでニコニコ笑ってる自分。
いま、俺は、幸せなんだろうか。
少し疑問に感じた。
週末、野球、嫉妬、失明、朝長。
土曜日の野球練習で、打球が右目に当たってしまった。
ワンバウンドしてるから、そこまで強い打球ではなかったけど、
目に当たったときの音のエグさだけは、いまでも耳に残っている。
まあ冷やしておけば大丈夫だろうと思って、
帰りに眼帯を買って、ノンキに友達の家に遊びに行った。
「安静にしてたほうがいいよ。」
「病院行ったほうがいいんじゃないの?」
と、チームメイトから声をかけられたけど、
とにかく、その日に、じっとしていたくなかった。
その日の練習でやたら白熱していたのには理由があって。
孝介が他のゲイ友達と大勢で花見に行っていたから。
なんで俺を誘ってくれんかったのかな〜と最初思ったけど、
その花見の主旨が『「デブ専細」と「細専デブ」の集い』だったから、
俺を誘ったら悪いだろうなと考えたであろうことはわかったから、まだいい。
まだ、いいけど、やっぱり気持ちは落ち着かないわけで。
友達とゲームをやりながらも、どこか気持ちが遠くにあって。
次の週末は俺が忙しくて、だから、会えるとしても二週間以上先になる。
こんなに会いたいのに、いや、でも贅沢は言ってはいけない。
そんな中、その夜に孝介からメールがあって、
他愛ないことだけど、電話をすることができた。
ただ、それだけで心が休まった。
けれど、これで終わらないのが、やはり俺らしいところ。
友達の家に泊まったその日。
朝方までダラダラとおしゃべりをして、眠りについた。
目が覚めたのは、昼すぎで。
「さあ、これから何をしよう。」とみんなで話そうというときに、
何かに取り憑かれたように、カバンをつかんで帰ってしまった。
第六感のセンサーが一番優れているのは、
寝起きで寝ボケてるときだって気づいたのは高校時代。
特に違和感があったわけではない。
あったとすれば、急に湧いてきた「危ない」という気持ち。
駆け込んだ病院で、血の気が引くようなセリフを聞いた。
「もう少し遅かったら、失明してたかもしれませんよ。」
緊急手術をすることになった。
人生、初の手術。小さいものとはいえ、すごく、怖くて。
怖くて、孝介にメールをした。
孝介の日曜日は、一人でバレーの試合を見に行って、
その帰りに、合コンで知り合った友達とメシを食いにいく予定だった。
当たり前のように、友達に会うことも心配だった。
孝介からメールは返ってこなかった。
もう時間的に、友達に会ってるころだもんな。
忙しいし、しょうがないよな。
そう自分に言い聞かせようとしたけど、
本当は、やっぱり寂しくてしょうがなかった。
もしかしたら、駆けつけてくれるんじゃないか、とまで思ってた。
そんなはず、ないのにね。
一人で手術を受けて、一人で家に帰って、ベッドに横になっていた。
結局、期待をしてしまっている自分が情けない。
あいつに、会いたい。
あいつに、優しくされたい。
あいつに、必要とされたい。
あいつに、……愛されたい。
どうして、こうなんだろう。
いまも、まだ、好きなんだから、しょうがないよな…と思いつつも、
叶わない期待を抱いてしまう自分が情けなくて、ふとんに顔をうずめた。
そのまま眠りにつこうかというときに、携帯がなった。
孝介だった。
「大地、ごめん…そんな事態になってると思いもしなくて。」
「もー、一番連絡欲しいときに、取れねーんだもーん(笑)」
できるだけ、明るく言ってみた。
勝手にイライラして、携帯の電源を切って連絡を断とうとしてみたり、
「どうして連絡くれなかったんだよ!」って泣いてたような昔に比べれば、
少しは成長してるのかも、前進できてるのかもしれない、なんて少し思えた。
「俺、自分でも、朝さんが引退することで、ここまでショック受けると思ってなくて…。」
『いまさらな、名前の話。』では、
たいした意味もなく触れなかったんですけど、
孝介のことを、「孝介」という名前に決めた理由は、
あいつが、バレー選手の朝長孝介選手が大好きだから、なんです(笑)
その朝長(ともなが)選手が、日曜日の試合を最後に、引退をすることになってて。
そりゃ、ショック受けるよなあ。
しかもストレート負けで引退…。
もっと孝介のことも考えてあげなきゃな…。
友達とのデート中も、朝さんのことで頭がいっぱいだったみたいで。
ごめんなさい。ちょっとだけ、ホッとしてしまいました。
会うことのできなかった週末、不安がいっぱいの週末だったけど、
孝介と二夜連続で電話することができたし、何もなくて本当によかった。
目が完全復活するのは、まだ先になりそうだけど、
失明しなかっただけ、不幸中の幸いと思って前向きにいこう。
孝介も心配してくれたし、ね。現金な自分に乾杯。
「孝介はドジっていうけど、別にボールが当たったことはドジだと思わないわけ!
でも、ボールが当たった瞬間に目を閉じてなかったらしい。そこはドジしたわ(笑)」
「おいー!!それ、人間として備わっている反応を越えたドジだろ!!笑
大地はドジっ子キャラだけど、ほんと、ネタにならないドジをするから恐怖だわ…。」
「ドジっ子って…。でも、そろそろ、自覚しないとヤバいかな。俺、うっかり死にそうだしね(笑)」
「それ、マジっぽいからやめてくれ!笑」
孝介のために死ねない!なんて言ってる前に、
ドジして死なないように気をつけねばなるまいな〜。
朝長孝介選手、あなたにも何度か嫉妬しましたが(笑)ひそかに活躍を応援してました。
教師になっても、孝介みたいなファンを引っさげて、また帰ってきてね!!おつかれさま!!
ワンバウンドしてるから、そこまで強い打球ではなかったけど、
目に当たったときの音のエグさだけは、いまでも耳に残っている。
まあ冷やしておけば大丈夫だろうと思って、
帰りに眼帯を買って、ノンキに友達の家に遊びに行った。
「安静にしてたほうがいいよ。」
「病院行ったほうがいいんじゃないの?」
と、チームメイトから声をかけられたけど、
とにかく、その日に、じっとしていたくなかった。
その日の練習でやたら白熱していたのには理由があって。
孝介が他のゲイ友達と大勢で花見に行っていたから。
なんで俺を誘ってくれんかったのかな〜と最初思ったけど、
その花見の主旨が『「デブ専細」と「細専デブ」の集い』だったから、
俺を誘ったら悪いだろうなと考えたであろうことはわかったから、まだいい。
まだ、いいけど、やっぱり気持ちは落ち着かないわけで。
友達とゲームをやりながらも、どこか気持ちが遠くにあって。
次の週末は俺が忙しくて、だから、会えるとしても二週間以上先になる。
こんなに会いたいのに、いや、でも贅沢は言ってはいけない。
そんな中、その夜に孝介からメールがあって、
他愛ないことだけど、電話をすることができた。
ただ、それだけで心が休まった。
けれど、これで終わらないのが、やはり俺らしいところ。
友達の家に泊まったその日。
朝方までダラダラとおしゃべりをして、眠りについた。
目が覚めたのは、昼すぎで。
「さあ、これから何をしよう。」とみんなで話そうというときに、
何かに取り憑かれたように、カバンをつかんで帰ってしまった。
第六感のセンサーが一番優れているのは、
寝起きで寝ボケてるときだって気づいたのは高校時代。
特に違和感があったわけではない。
あったとすれば、急に湧いてきた「危ない」という気持ち。
駆け込んだ病院で、血の気が引くようなセリフを聞いた。
「もう少し遅かったら、失明してたかもしれませんよ。」
緊急手術をすることになった。
人生、初の手術。小さいものとはいえ、すごく、怖くて。
怖くて、孝介にメールをした。
孝介の日曜日は、一人でバレーの試合を見に行って、
その帰りに、合コンで知り合った友達とメシを食いにいく予定だった。
当たり前のように、友達に会うことも心配だった。
孝介からメールは返ってこなかった。
もう時間的に、友達に会ってるころだもんな。
忙しいし、しょうがないよな。
そう自分に言い聞かせようとしたけど、
本当は、やっぱり寂しくてしょうがなかった。
もしかしたら、駆けつけてくれるんじゃないか、とまで思ってた。
そんなはず、ないのにね。
一人で手術を受けて、一人で家に帰って、ベッドに横になっていた。
結局、期待をしてしまっている自分が情けない。
あいつに、会いたい。
あいつに、優しくされたい。
あいつに、必要とされたい。
あいつに、……愛されたい。
どうして、こうなんだろう。
いまも、まだ、好きなんだから、しょうがないよな…と思いつつも、
叶わない期待を抱いてしまう自分が情けなくて、ふとんに顔をうずめた。
そのまま眠りにつこうかというときに、携帯がなった。
孝介だった。
「大地、ごめん…そんな事態になってると思いもしなくて。」
「もー、一番連絡欲しいときに、取れねーんだもーん(笑)」
できるだけ、明るく言ってみた。
勝手にイライラして、携帯の電源を切って連絡を断とうとしてみたり、
「どうして連絡くれなかったんだよ!」って泣いてたような昔に比べれば、
少しは成長してるのかも、前進できてるのかもしれない、なんて少し思えた。
「俺、自分でも、朝さんが引退することで、ここまでショック受けると思ってなくて…。」
『いまさらな、名前の話。』では、
たいした意味もなく触れなかったんですけど、
孝介のことを、「孝介」という名前に決めた理由は、
あいつが、バレー選手の朝長孝介選手が大好きだから、なんです(笑)
その朝長(ともなが)選手が、日曜日の試合を最後に、引退をすることになってて。
そりゃ、ショック受けるよなあ。
しかもストレート負けで引退…。
もっと孝介のことも考えてあげなきゃな…。
友達とのデート中も、朝さんのことで頭がいっぱいだったみたいで。
ごめんなさい。ちょっとだけ、ホッとしてしまいました。
会うことのできなかった週末、不安がいっぱいの週末だったけど、
孝介と二夜連続で電話することができたし、何もなくて本当によかった。
目が完全復活するのは、まだ先になりそうだけど、
失明しなかっただけ、不幸中の幸いと思って前向きにいこう。
孝介も心配してくれたし、ね。現金な自分に乾杯。
「孝介はドジっていうけど、別にボールが当たったことはドジだと思わないわけ!
でも、ボールが当たった瞬間に目を閉じてなかったらしい。そこはドジしたわ(笑)」
「おいー!!それ、人間として備わっている反応を越えたドジだろ!!笑
大地はドジっ子キャラだけど、ほんと、ネタにならないドジをするから恐怖だわ…。」
「ドジっ子って…。でも、そろそろ、自覚しないとヤバいかな。俺、うっかり死にそうだしね(笑)」
「それ、マジっぽいからやめてくれ!笑」
孝介のために死ねない!なんて言ってる前に、
ドジして死なないように気をつけねばなるまいな〜。
朝長孝介選手、あなたにも何度か嫉妬しましたが(笑)ひそかに活躍を応援してました。
教師になっても、孝介みたいなファンを引っさげて、また帰ってきてね!!おつかれさま!!
「いいよ、おいで。」
いままで、幾度となく、自分の気持ちを疑ってきた。
好きになった当初。
『親友を好きになってしまった』という、シチュエーションに恋をしたのでは。
気持ちを伝えられなかった頃。
『好きな気持ちを伝えられない歯がゆさ』という、シチュエーションに酔っているのでは。
気持ちを伝えた後。
『叶わないけど、それでも諦めない自分』という、自分に酔っているのでは。
最近、すごく幸せなのは、その罪悪感から解放されたから、かもしれない。
孝介と”過ち”を犯した、去年のお盆以来、俺は誰ともセックスをしていない。
だから、俺の体には、孝介の記憶が細かに残っている。
ラブホテル独特のにおい、ベッドのやわらかさ、
甘い声、うなじの匂い、初めて見せた顔、俺を求める手、
孝介の中の温かさ、孝介が入ってきたときの痛み、
これらを記録に残せないことが、とても残念に思う。
だからこそ、鮮明に記憶に残そうとするのかもしれないが。
今更かもしれない。
けど、改めて、思った。
俺は孝介が好きだ。たまらなく、好きだ。
えらく久しぶりの自慰行為の後に、ぼんやりとそんなことを考えていた。
先ほどから汚い話ですみません。
また、めぐった。
こうしてまた俺たちは、仲良しの親友へと戻っていく。
態度に出さなければいい。
ただ楽しい時間を過ごせれば。
それで、孝介は、また優しいやつに戻る。
ちょっとしたイベントがあって、ペアルックで街を歩いていた。
俺の大好きなペアルック。昭和と言われても気にしない。
もう寝てそうな、夜にメールがきた。
「流れ星みた!!」
そんな些細なことをメールしてくれる嬉しさ。もどかしさ。
俺は孝介が好きだ。
何の疑いもない。
純粋に、孝介が好きだと、いまなら言える。
だから幸せ。だから苦しい。だから生きてる。だから死ねない。
眠れない夜は、すこしおかしくなる。
好きになった当初。
『親友を好きになってしまった』という、シチュエーションに恋をしたのでは。
気持ちを伝えられなかった頃。
『好きな気持ちを伝えられない歯がゆさ』という、シチュエーションに酔っているのでは。
気持ちを伝えた後。
『叶わないけど、それでも諦めない自分』という、自分に酔っているのでは。
最近、すごく幸せなのは、その罪悪感から解放されたから、かもしれない。
孝介と”過ち”を犯した、去年のお盆以来、俺は誰ともセックスをしていない。
だから、俺の体には、孝介の記憶が細かに残っている。
ラブホテル独特のにおい、ベッドのやわらかさ、
甘い声、うなじの匂い、初めて見せた顔、俺を求める手、
孝介の中の温かさ、孝介が入ってきたときの痛み、
これらを記録に残せないことが、とても残念に思う。
だからこそ、鮮明に記憶に残そうとするのかもしれないが。
今更かもしれない。
けど、改めて、思った。
俺は孝介が好きだ。たまらなく、好きだ。
えらく久しぶりの自慰行為の後に、ぼんやりとそんなことを考えていた。
先ほどから汚い話ですみません。
また、めぐった。
こうしてまた俺たちは、仲良しの親友へと戻っていく。
態度に出さなければいい。
ただ楽しい時間を過ごせれば。
それで、孝介は、また優しいやつに戻る。
ちょっとしたイベントがあって、ペアルックで街を歩いていた。
俺の大好きなペアルック。昭和と言われても気にしない。
もう寝てそうな、夜にメールがきた。
「流れ星みた!!」
そんな些細なことをメールしてくれる嬉しさ。もどかしさ。
俺は孝介が好きだ。
何の疑いもない。
純粋に、孝介が好きだと、いまなら言える。
だから幸せ。だから苦しい。だから生きてる。だから死ねない。
眠れない夜は、すこしおかしくなる。
孝介とサブローの溝。【後】
サブローと、夕方からサイゼリアでワインをあけていた。
少し酒が入らないと、本音が語れないだろうなって、
こういうとこ大人の残念な部分だよなあって思ってしまうけど、
サブローはとにかく小さなことでも口が重いから、ちょうどいいかなと。
「もう、孝介さんに会えない気がします。」
「……はい!?」
さすがの自分も、いきなりこう来るとは思ってもみなかった。
せいぜい、仲直りはしたけど、まだくすぶってる程度かと予想していたから。
「や、だって、解決したんだろ?」
「あの件については、解決しました。自分にも反省点はあるので…。」
「じゃあ、なんで会えないなんて思うの。」
「孝介さんに、完璧に嫌われた気がするんです。」
”完璧に”??
「実は………………………。」
サブローは、この三点リーダーが、すごく長い。
じれってーーなーー!!さっさと言えよ!!!と言いたくなるが、
カウンセリングは強要したら負けであって、根気強く待つしかない。
なるべく先読みして、落ち付いた答えを出したいんだが、
こう焦らされると、本来の読み取りセンサーが狂ってしまう。
『直感』と『想像』の区別がつかなくなってしまうから。
・サブローの思い過ごしだ
・解決したとみせかけて、実は喧嘩別れだった
・サブローが孝介のことを好きになってしまい、告白して撃沈
・その逆、孝介から告白されて、気まずい感じになってしまった
ありとあらゆる可能性が出てきて、どれが本当だか、わからなくなる。
「あの………。」
「うん、どうした。」
「……トイレから帰ってきたら、言います、たぶん。」
じれってぇーーなーーークソーーーー!!!!!
「年末ぐらいから、ずっと思ってたんです。ぎくしゃくしてしまったって。」
トイレから帰ってきたあと、20分くらいの時間をかけて、
やっと重い口を開いて、俺の知らなかったことを話し出した。
「年末……っていうと、合コンのあたり、か?」
「そうです。そのぐらいからです。」
たしかに合コンのときはめんどくさそうだったけど、
サブローを嫌いになった様子なんて見られなかったけどなあ。
「こんなこと言っては失礼かもしれないんですけど…。」
サブローの言葉は、まだ続いた。
「合コンのこととか、新年の先輩のこととか、いろいろあっても、
大地さんは自分に対する対応が、まったく変わらなかったんです。
でも、孝介さんは………思い込みかもしれないんですけど、そうなんです。」
「そうなんですって、嫌われたっぽいってこと?」
「……はい。」
「そうかなぁ〜!?」
サブローの口から出てくるのが、かなり重い話だと思っていたせいで、
思わず、すっとんきょうな声を出して、背もたれに寄りかかってしまった。
カウンセリングで、否定の言葉を投げかけてはいけないんだけど…。
「大地さんは…そりゃ、会ったころはもっと普通の人でしたけど、接し方が全然変わらなくて、
けど、孝介さんは、何かあるたびに、だんだん冷たくなってきてる感じがして…。
最初は、すごく優しかったんです。だからこそ、やっと普通の友達ができたって嬉しくって、
よくしてもらってた分、いまの状況がつらくて、なんでこんなことになっちゃったんだろう…。」
もっと普通の人でしたけど、って…。
サブローは、愛されて育ったんだろうなあということが、如実に現れるときがある。
いままで、あまり悩んで生きてこなかったんだろうなって。
だからこそ、逃げずに、ちゃんと悩んで解決しろよ!って毎回言ってるんだけど…。
「なんでこんなことになっちゃったんだろうって、サブローの口癖だけどさ。
本当に、なんでこんなことになったのか、わかってねーの?
ってか、考えようとしないのがいけないんじゃねーの?
実験に失敗して、器材を壊してしまったことばかり凹んでても、しょうがないだろ。
なぜ失敗したのか、手順がまずかったのか、温度がまずかったのか、とか、
そういうことを考えないと、先に進まないし、一生足踏みすることになるぞ。」
「…………。」
俺のたとえ話は意味がわからないと言われることが多くて、
今回も、そのパターンかと思っていたから、慌てて一言付け足した。
「ん、まあ…そりゃ一度気にかかると、疑心暗鬼になるのはわかるけどさ。
新年のときだって、泣きながら駅に現れたサブローを抱きしめてくれたこと、覚えてないの?」
「覚えてます…。」
「普通、嫌いな奴にあそこまでするかなあ。サブローだったらする?」
「しないと思います…。」
「だろ。…ぶっちゃけ、俺すげえ羨ましかったんだぜ。サブローには優しいからさ。」
新年のころの気持ちを思い出して、ちょっとしんみりしてしまった。
俺なんか、とっくに孝介に嫌われることしまくってるしな。
サブローは俺らが二人のときに、どんな様子なのか知らないし、
どれだけ悩み苦しみぬいて、いま一緒にいるかも知らないんだもんなあ。
「サブロー、孝介の嫌なところって知ってる?」
「…めんどくさいことが嫌いなとこですか?」
な、なんだ。
よくわかってるじゃないか。
他にもあるんだけど、まだ、サブローにはわからないだろうな…。
「じゃ、俺の嫌なところは?」
「………わかりません。」
「俺は、サブローのイイところも嫌なところも知ってるし、
それを知った上で、サブローと友達をやってるんだけどな。
サブローも、孝介とか俺の、嫌なところを、ちゃんと知っといたほうがいいよ。
俺は、孝介のイイとこ嫌なとこたくさん知ってるけど、全部ひっくるめて大好きだもん。」
「……。」
「…………。」
「大地さん、どうなんですか、最近。」
ギクッ。
や、やっぱり最後のセリフはまずかったですよね…。
「え、えーと……相変わらずですよ。」
なんとなく今まで気を使って、孝介のことは話してこなかったけど、
とっくに俺のことは吹っ切れたみたいだし、話しても大丈夫かなって。
サブローの話ばっかり聞きだしといて、俺の話をしないのもアレだしな。
「叶う見込みはとっくにないけど、それでも好きだよ。」
-「どうして、諦めないんですか。」
-「他の人を探そうとか、思わないんですか。」
-「誰かとセックスしたくなったりしないんですか。」
まだ好きだ、ということを伝えたら、サブローから質問攻めだった。
とっくに、終わったことだと思っていたらしい。
さすがに、孝介がたまに、期待させまいと冷たくなることとか、
”過ち”を犯したことがあるとか、そういう深刻な部分は話せないけど…。
俺のいまの気持ちを、素直に話してみた。
サブローは、深刻そうに俺の顔をみて頷いていた。
「向こうが友達として必要としてるなら、俺はそういようと思ってるよ。好きだけどね。」
「苦しくならないんですか。寂しくなったりすることないんですか?」
「え、毎日苦しいし、寂しいけど…(笑)」
それを聞いたサブローは、テーブルに突っ伏して号泣しはじめた。
「どうして、そんな不毛なことが続けられるんですか!?」
………チーン( ̄▽ ̄)
こ、この子にまで、不毛と言われるとは…(笑)
たしかに不毛なんだよなあ。
あの花見の件があってから、孝介と一切連絡を取っていない。
距離を置こうと思っているわけじゃなくて、ちょっと落ち着かせないと、
またここで堂々巡りになると思ったから、頑張って考えないようにしてる。
それもこれも、明日の昼に会うことが決まってるから、なんだけど…。
会う予定もなしに、連絡を控えたりできるような俺じゃないしな。
さすがに、会うのは「やめよう。」とか言いださないよな。うん。言われたら死ぬ。
サブローとは、「しばらく寝かせてみたら。」という結論にたどりついて、別れた。
冬のころにさんざん悩ましてくれた二人が、こんな方向に進むとはなあ。
孝介と大地、俺たちの未来は、一体どうなっているんだろう…。
少し酒が入らないと、本音が語れないだろうなって、
こういうとこ大人の残念な部分だよなあって思ってしまうけど、
サブローはとにかく小さなことでも口が重いから、ちょうどいいかなと。
「もう、孝介さんに会えない気がします。」
「……はい!?」
さすがの自分も、いきなりこう来るとは思ってもみなかった。
せいぜい、仲直りはしたけど、まだくすぶってる程度かと予想していたから。
「や、だって、解決したんだろ?」
「あの件については、解決しました。自分にも反省点はあるので…。」
「じゃあ、なんで会えないなんて思うの。」
「孝介さんに、完璧に嫌われた気がするんです。」
”完璧に”??
「実は………………………。」
サブローは、この三点リーダーが、すごく長い。
じれってーーなーー!!さっさと言えよ!!!と言いたくなるが、
カウンセリングは強要したら負けであって、根気強く待つしかない。
なるべく先読みして、落ち付いた答えを出したいんだが、
こう焦らされると、本来の読み取りセンサーが狂ってしまう。
『直感』と『想像』の区別がつかなくなってしまうから。
・サブローの思い過ごしだ
・解決したとみせかけて、実は喧嘩別れだった
・サブローが孝介のことを好きになってしまい、告白して撃沈
・その逆、孝介から告白されて、気まずい感じになってしまった
ありとあらゆる可能性が出てきて、どれが本当だか、わからなくなる。
「あの………。」
「うん、どうした。」
「……トイレから帰ってきたら、言います、たぶん。」
じれってぇーーなーーークソーーーー!!!!!
「年末ぐらいから、ずっと思ってたんです。ぎくしゃくしてしまったって。」
トイレから帰ってきたあと、20分くらいの時間をかけて、
やっと重い口を開いて、俺の知らなかったことを話し出した。
「年末……っていうと、合コンのあたり、か?」
「そうです。そのぐらいからです。」
たしかに合コンのときはめんどくさそうだったけど、
サブローを嫌いになった様子なんて見られなかったけどなあ。
「こんなこと言っては失礼かもしれないんですけど…。」
サブローの言葉は、まだ続いた。
「合コンのこととか、新年の先輩のこととか、いろいろあっても、
大地さんは自分に対する対応が、まったく変わらなかったんです。
でも、孝介さんは………思い込みかもしれないんですけど、そうなんです。」
「そうなんですって、嫌われたっぽいってこと?」
「……はい。」
「そうかなぁ〜!?」
サブローの口から出てくるのが、かなり重い話だと思っていたせいで、
思わず、すっとんきょうな声を出して、背もたれに寄りかかってしまった。
カウンセリングで、否定の言葉を投げかけてはいけないんだけど…。
「大地さんは…そりゃ、会ったころはもっと普通の人でしたけど、接し方が全然変わらなくて、
けど、孝介さんは、何かあるたびに、だんだん冷たくなってきてる感じがして…。
最初は、すごく優しかったんです。だからこそ、やっと普通の友達ができたって嬉しくって、
よくしてもらってた分、いまの状況がつらくて、なんでこんなことになっちゃったんだろう…。」
もっと普通の人でしたけど、って…。
サブローは、愛されて育ったんだろうなあということが、如実に現れるときがある。
いままで、あまり悩んで生きてこなかったんだろうなって。
だからこそ、逃げずに、ちゃんと悩んで解決しろよ!って毎回言ってるんだけど…。
「なんでこんなことになっちゃったんだろうって、サブローの口癖だけどさ。
本当に、なんでこんなことになったのか、わかってねーの?
ってか、考えようとしないのがいけないんじゃねーの?
実験に失敗して、器材を壊してしまったことばかり凹んでても、しょうがないだろ。
なぜ失敗したのか、手順がまずかったのか、温度がまずかったのか、とか、
そういうことを考えないと、先に進まないし、一生足踏みすることになるぞ。」
「…………。」
俺のたとえ話は意味がわからないと言われることが多くて、
今回も、そのパターンかと思っていたから、慌てて一言付け足した。
「ん、まあ…そりゃ一度気にかかると、疑心暗鬼になるのはわかるけどさ。
新年のときだって、泣きながら駅に現れたサブローを抱きしめてくれたこと、覚えてないの?」
「覚えてます…。」
「普通、嫌いな奴にあそこまでするかなあ。サブローだったらする?」
「しないと思います…。」
「だろ。…ぶっちゃけ、俺すげえ羨ましかったんだぜ。サブローには優しいからさ。」
新年のころの気持ちを思い出して、ちょっとしんみりしてしまった。
俺なんか、とっくに孝介に嫌われることしまくってるしな。
サブローは俺らが二人のときに、どんな様子なのか知らないし、
どれだけ悩み苦しみぬいて、いま一緒にいるかも知らないんだもんなあ。
「サブロー、孝介の嫌なところって知ってる?」
「…めんどくさいことが嫌いなとこですか?」
な、なんだ。
よくわかってるじゃないか。
他にもあるんだけど、まだ、サブローにはわからないだろうな…。
「じゃ、俺の嫌なところは?」
「………わかりません。」
「俺は、サブローのイイところも嫌なところも知ってるし、
それを知った上で、サブローと友達をやってるんだけどな。
サブローも、孝介とか俺の、嫌なところを、ちゃんと知っといたほうがいいよ。
俺は、孝介のイイとこ嫌なとこたくさん知ってるけど、全部ひっくるめて大好きだもん。」
「……。」
「…………。」
「大地さん、どうなんですか、最近。」
ギクッ。
や、やっぱり最後のセリフはまずかったですよね…。
「え、えーと……相変わらずですよ。」
なんとなく今まで気を使って、孝介のことは話してこなかったけど、
とっくに俺のことは吹っ切れたみたいだし、話しても大丈夫かなって。
サブローの話ばっかり聞きだしといて、俺の話をしないのもアレだしな。
「叶う見込みはとっくにないけど、それでも好きだよ。」
-「どうして、諦めないんですか。」
-「他の人を探そうとか、思わないんですか。」
-「誰かとセックスしたくなったりしないんですか。」
まだ好きだ、ということを伝えたら、サブローから質問攻めだった。
とっくに、終わったことだと思っていたらしい。
さすがに、孝介がたまに、期待させまいと冷たくなることとか、
”過ち”を犯したことがあるとか、そういう深刻な部分は話せないけど…。
俺のいまの気持ちを、素直に話してみた。
サブローは、深刻そうに俺の顔をみて頷いていた。
「向こうが友達として必要としてるなら、俺はそういようと思ってるよ。好きだけどね。」
「苦しくならないんですか。寂しくなったりすることないんですか?」
「え、毎日苦しいし、寂しいけど…(笑)」
それを聞いたサブローは、テーブルに突っ伏して号泣しはじめた。
「どうして、そんな不毛なことが続けられるんですか!?」
………チーン( ̄▽ ̄)
こ、この子にまで、不毛と言われるとは…(笑)
たしかに不毛なんだよなあ。
あの花見の件があってから、孝介と一切連絡を取っていない。
距離を置こうと思っているわけじゃなくて、ちょっと落ち着かせないと、
またここで堂々巡りになると思ったから、頑張って考えないようにしてる。
それもこれも、明日の昼に会うことが決まってるから、なんだけど…。
会う予定もなしに、連絡を控えたりできるような俺じゃないしな。
さすがに、会うのは「やめよう。」とか言いださないよな。うん。言われたら死ぬ。
サブローとは、「しばらく寝かせてみたら。」という結論にたどりついて、別れた。
冬のころにさんざん悩ましてくれた二人が、こんな方向に進むとはなあ。
孝介と大地、俺たちの未来は、一体どうなっているんだろう…。







